熱中症
炎天下でスポーツをするうえで、特に注意しなければならないのが熱中症です。 熱中症は重症度により「熱疲労」、「熱けいれん」、「熱射病」の3つに分類されます。 熱中症は、汗を大量にかくことで、水分と塩分が失われて脱水状態となり、身体の発汗機能が低下することによって起こります。 高温多湿の日や暑い場所でのスポーツなどで起こりやすく、睡眠不足や疲労度も影響します。 子どもは新陳代謝が激しく、身体も未発達のため、大人よりも脱水症状を起こしやすい傾向があります。
熱中症の予防
炎天下でスポーツなどを行う際は、早めに水分摂取するよう心がけてください。
0.2 %程度の塩分(ナトリウムの量なら40〜80mg/100mL)を含んだスポーツドリンクなどを、活動前に250〜500mL。 活動中は1時間ごとに500〜1000mL取るとよいでしょう(塩分を含んでいることが大切だそうです)
衣服は、風通しが良くて軽い、熱を吸収しにくい白系統のものを着用するのがベターです。 梅雨明けなど急に気温が上がった時は、体が高温環境に慣れていませんので特に注意が必要です。 また、疲労感や発熱、寝不足、食欲不振がある時は、熱中症にかかりやすいため、無理をしないことが大切です。
予防の為の指標
熱中症の発生には、気温・湿度・風速・輻射熱(直射日光など)が関係します。
同じ気温でも湿度が高いと危険性が高くなるので注意が必要です。また、運動強度が強いほど熱の発生も多くなり、熱中症の危険性も高まります。
暑いところで無理に運動しても効果は上がりません。環境条件に応じた運動・休息・水分補給の計画が必要です。
WBGT(湿球黒球温度)とは、人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標で、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算します。


 ※ WBGT(湿球黒球温度)の算出方法
  屋外:WBGT=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度 / 屋内:WBGT=0.7×湿球温度+0.3×黒球温度
 ※ 環境条件の評価はWBGTが望ましい。
 ※ 湿球温度は気温が高いと過小評価される場合もあり、湿球温度を用いる場合には乾球温度も参考にする。
 ※ 乾球温度を用いる場合には、湿度に注意。湿度が高ければ、1ランクきびしい環境条件への注意が必要。
病状と救急処置
  病状 救急処置
「熱疲労」 脱水による症状で、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがみられる。 涼しい場所に運び、衣服をゆるめて寝かせ、水分を補給すれば通常は回復します。 足を高くし、手足を抹消から中心部に向けてマッサージするのも有効です。 吐き気やおう吐などで水分補給できない場合は、病院で点滴を受ける必要があります
「熱けいれん」 大量に汗をかいたときに水だけしか補給しなかったため、血液の塩分濃度が低下して、足,腕,腹部の筋肉に痛みをともなったけいれんがおこる。 生理食塩水(0.9%)を補給すれば、通常は回復します。
「熱射病」 体温の上昇によって中枢機能に異常をきたした状態。意識障害(反応が鈍い,言動がおかしい,意識がない)がおこる。 死亡する可能性の高い緊急事態です。体を冷やしながら、集中治療のできる病院へ一刻も早く運ぶ必要があります。 いかに早く体温を下げて意識を回復させるかが予後を左右するので、現場での処置が重要です。 体温を下げるには、水をかけたり濡れタオルを当てて扇ぐ方法、頚、脇の下、足の付けねなど太い血管のある部分に氷やアイスパックをあてる方法が効果的です。 循環が悪い場合は、足を高くし、マッサージをします。 症状としては、意識の状態と体温が重要です。意識障害は軽いこともありますが、応答が鈍い、言動がおかしいなど少しでも異常がみられる時には重症と考えて処置しましょう。